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       優雅人インタビュー


 このコーナーでは、「どうしたら本当にやりたいことが出来るようになるのか?」
「どうしたら、本来の自分として生きることが出来るのか?」を中心に、毎回、真に
豊かな生活を満喫なさっている『優雅人』に、優雅で洗練された心穏やかな
生活を味わうための秘訣をお伺いします


今回の『優雅人』は、福乃友酒造(株)の一星社長です。

どうぞ、お楽しみ下さい。


    福乃友酒造(株) 一星社長
 

               


 今回お話をお伺いした「真に豊かな生活を満喫している優雅人」は、秋田で本物
の、しかも非常に特色のある日本酒を丹精込めて造られている福乃友酒造の一星
社長です。

一星社長は、現実問題として、衰退産業と言って良い酒造業界の中で、非常に際
立った活動を精力的にされてらっしゃいます。

業界全体の規模がピーク時の半分しかないという極めて厳しい環境の中で、どう
してそうした逆境に負けずに自分のやりたいことを着実に実現することが出来る
のか?

どういう考え方をすれば、回りの環境に影響されずに自分らしく生きることが出来る
のか?

こういったことを中心にお話をお伺い致しました。



 
どうしてこの仕事をお選びになられたのですか?

  実は私の意志ではないのです。

    本当はホテルの仕事に就きたかったのですが、父が急死したため、
    やむを得ずだったのです。もともと将来的にはそうなるような気も少し
    していましたし、就職活動の最中で、就職が決まっていたわけでも
    なかったので、まぁ仕方ないかなと言う気もしていました。

    そう言うわけで、まったくお酒の知識がないままこの世界に投げ込まれた
    のです。

    でも、結果からすると良かったと思います。

    酒蔵の常識に捉われない考えが出来まして、それが「それまでなかった」
    独創的な酒造りにつながったと思っています。



 
社長として、今まで一番のご苦労は?

 バブル崩壊で大借金を背負ったことですね。

    この時期は、細々とやるしかなかった。

    我慢の時期でした。

    
    でも、あの時期があったから今があるのだと思います。


    実は、「ホンモノを作ろう!」と思い立ったのはその時期なのです。

    しかも、ただの吟醸酒じゃつまらない。どうせやるなら目指せ個性
    日本一!ウチだけの味を出していきたい。別に有名になろうとは
    思わなかった。

    借金を返す手段として、量をさばく作戦ではなくて、質を高める作戦、
    つまり、自分の酒をわかってくれるお客さんのために作ろう。毎日
    飲むお酒にはなりたくない。


    それには地元の米であり、地元の水であり、地元の人であると・・・。

    それで、土地の米であるキヨニシキでやろうと思ったのです。

    このキヨニシキと言う米は、山田錦に代表される酒造好適米ではない
    のですね。
    
    常識的にはお酒になるお酒ではないのです。雑味があったのです。

    
    キヨニシキで造った酒は、田舎の味と言われたこともありました。

    でも、逆に言うとガツンと来る味、まさしく個性になったと思います。

    
    ただ、個性があったということは、言い方を変えるとクセがあるということ
    だったのか、最初は売れなかった。やっと売れ始めるのに3年位かかった。

    4年位して雑誌に取り上げられてからですね。売れ始めたと言えるのは。

    それからは、かなり知られるところになりましたね。



 
そこから学んだことはありますか?

 与えられた環境の中で一所懸命やると言うことでしょうか。

    芽が出る、売れ始めるまでには、借金を背負ったときから計算して、延べ
    10年くらいかかっていると思います。



 
10年! どうして、そんなに耐えられたのですか?

 「お客様の声」があったからだと思います。


    お酒のビンに「手紙」をつけて、そのなかで商品開発の苦労話をかたったり
    していたら、最初は全く無反応だったのですが、2〜3年経つとポツポツ反応
    が帰ってき始めました。

    自分たちの作った酒を美味しいと喜んでくれるお客様がいて、その嬉しさが
    伝わってきた。これが心の支えになりましたね。


    それで、もっと良い酒を造ろうと思った。好循環になって行ったのだと思います。


    そう言う心境になって一所懸命やり始めると、辛いとか、長いとか言うよりも
    あっという間。

    本当に一回、一回、一年、一年が大切だ、もったいないという気になりました。



 
では、今までで最大の失敗は?

 あんまり気にしたこと無いです。

    失敗と言えば、みんな失敗みたいな気もするし・・・。

    成功なんてほとんどしてないけど、明日はもっと良いことがあるみたいな気持ち
    では生きていますね。

    もともと一流になろうとかトップになろうとか思っていないです。トップになると
    落ちるのが怖いですしね。しっかりした物を作っているんだから、評価は平凡、
    並みで良いんじゃないか。マイナーで良いやって。

    もっともっと、つらい目、ひどい目にあっている人はいっぱいいる。

    それを思えば辛くないですよね。


    生意気言うとですね、日本が今置かれているのも同じじゃないかと思いますよ。

    日本なんて元々そんなメジャーな存在じゃなくて、マイナーな存在。


    そう思えば、現状で充分すぎるくらい良いんじゃないかと思いますね。



 
会社勤務に悩む人たちに何か一言頂けますか?

 つらい時は人間は卑しくなります。

    でも、今思うと、もっとそうじゃなくて、自分を追い込むんじゃなくて、一人でも
    二人でも自分を必要としてくれるうちはって思う、最後では一人っきりでも良い
    からって思う、基準を下に持っていく。それが出来るようになって、自分は楽に
    なりました。

    あと、良く見られようとか、上手に見られようとか思わない、ありのままをそのまま
    出せるようになると楽になるんじゃないかと思います。

    どうしたって、ご判断するのは皆さん、それにしたって、相性が悪かったって、
    ただそれだけだと思います。



 
社長にとって、奥様とはどのような存在ですか?

 別に、会社のことを奥さんに言えないとか、そんなことは全然無かったですね。

    僕の場合は、奥様の胸で泣かせてもらったこともありました。僕は結構甘えて
    ました。良い子、良い子してもらってました。

    社長だからって、そんな特別なことは無いんじゃないかと思います。



 
社長とは一体どのような存在なのでしょう?

 社長なんて誰でも出来ますよ。

    この人、社長やっていればもっと良くなっただろうなって思う人がいっぱいいます
    よ。僕なんか、リーダーとは程遠い人間だったんですから。

    しょうがなくてやってるうちにリーダーシップが付いた。


    社長に向かない人間なんていないと思いますよ。


    特殊な人、優秀な人だけが社長になるわけではないんですね。だから、そんな
    会社勤務でおかしくなっちゃうくらいなら、死んでしまったりする位の勇気がある
    なら、思い切って社長やってみたら良いですよ。

    社長で一番大切なのは、誰が本音で言っているか、お世辞を言っているのかを
    見極められるかです。

    でも、それは騙されて初めてわかる。けれども騙されたことを恨んじゃいけない。


    結局、避けようが無かった、仕方なかったって言われることも、良く良く見れば
    ほとんど自分が悪いんだから。


    倒産なんて、結局自分が悪い。自分に必ず理由がある。


    そのことを、社長は忘れてはならないと思いますね。



 
今後、一星社長はどんなことをなさりたいのですか?

 最近の日本酒は端麗辛口が人気があるけど、そろそろ濃醇旨口の時代が来る
    って言われています。

    うちはもともとノウジュン派。

    ノウジュンはノウジュンでも、うちは農家と一緒に純米酒を造っているから農純派
    って言っています。

    器用なことなんて必要なくって、淡々とやっていれば良い。

    流れや流行を追っても同じこと。

    結局は、元のところに戻ってくるだけ。

 
    だったら、一人でも「ここの酒じゃなくちゃダメなんだ」って人を作りたいですね。


    量ではなくて、一つのことに磨きをかけていれば、必ずその姿勢に反応してくれる
    人がいる。


    現代は地球全体で過剰が溢れている。

    なのに、そのために四六時中働いて押しつぶされそうになっていると。

    それよりは過剰なのをやめて、働くストレスを減らす。

    そうすれば環境にも良い。


    不足感って言うのは、それが満たされたときに満足感や充足感があるのだから
    大切なことなんだと思います。

    でも、今は、少なくとも物資的には不足感は無いですよね。

    かえって可愛そうだと思います。



 
最後に一言お願いします。

 好きなことを見つけて、どんどんやってみたら良いと思います。

    現代の方が、昔よりも「職業選択の自由」は無くなっていると思うんですね。

    多くの職場ではマニュアルが導入されていて、物を売る自由さや楽しさを
    知ることが出来ない。

    もともと商売ってすごく楽しいことなんです。

    杜氏なんて、物凄くキツイ仕事だけど、実は一概にそうともいえないと思う
    んですね。

    物を作る喜びがありますから。


    それと、キツイ時は確かにあるけど、しっかり休む時は休む。オフが無かった
    ら倒れちゃいますよ。

    長期的に見て、しっかり休んだ方が、結局のところ最も生産性が高くなる。

    人間は死ぬまで働くのが当たり前と思った方が、健康にも良いし、実際元気
    な人が多いと思う。

    あせることはないですね。

    定年とか、自分にエンドマークをつけて仕事をするからあせるんですね。

    エンドマーク、ゴールが無いと思えば、あせりようがないです。


    時代は確かにどんどん動いていると思います。

    けれども、人間の本質や基本的なところ、みんなが好きなものは変わらない
    気がするんですね。


    確かに最近の人は繊細になっているかもしれないですね。ところが団塊の世代
    は根性論で部下に接したりする。ずれてますよ。

    部下の気持ちが理解できるわけないです。上司が部下を連れて飲みに行った
    って、そんなんじゃ部下が行きたがるわけないですよ。

    もう上下関係ではないと思うんです。知識ってことを言うと、部下の人たちの方
    が知識を持っていることもある。本当は部下の方がより会社にとって有用だった
    りするんです。


    前提が間違っているように感じますね。


    ニートの問題を見ても、今の日本はいろんな面で余りに選択肢が無さ過ぎる。

    何をやったら良いかわからないってことは、何を話して良いかわらからないって
    こととなんか似ていて、腹減ったら減った、辛かったら辛いって言って良いのに
    そういうことを言い出せない環境になってしまっていることと関係あるかも知れ
    ないですよね。

    ちょっとでも関心があることは、なんも考えずに、かっこつけずにやってみたら
    良いんですよ。



    
インタビューを終えて・・・

        一星社長にお会いして、会った瞬間に、まさしく「真に優雅で豊かな生活
        を送る人」だと感じました。

        なんて言うんでしょう・・・。

        そう。ホスピタリティーがすごいのです。

       
        ギブ&テイクって良く言いますが、これ、テイク&ギブじゃないんですね。


        まずギブする。

        だからテイクできる。

        
        人と接する時は、まず自分の方からホスピタリティーを発揮する。だから
        最終的にはギブした以上の「豊かさ」が自分に帰ってくる。

        今回のインタビューで、一星社長からはそのことを一番に教えて頂いた
        様な気がしました。


        一星社長、本当にありがとうございました。